【ちいさな椿】侘助椿について。名前の由来など

2021年10月26日

こんにちは。めたろんです。

寒くなると椿が丸いつぼみをつけて目を楽しませてくれますね。

私は昔、佐々木倫子さんの名作「林檎でダイエット」という漫画作品を読んで以来、椿の盆栽をいつか持ちたいと思っています。

 

今回、椿の中でも「侘助(わびすけ)」という種類があるのを知り、変わった名前もあってどんな花か詳しく調べてみたくなりました。

この記事でわかること

  • 侘助椿とはどんな花か?
  • 侘助椿は普通の椿と何が違うのか?
  • 侘助椿にはどんな種類があるのか?
  • 侘助椿の名前の由来など

 

それでは見てみましょう!

 

 

侘助椿ってどんな花?

こんな花です。

 

 

侘助椿の見た目の特徴は、およそ以下のとおりです。

  • 花は一重で小さい
  • 半開状に咲く
  • 白、桃色、紅色などがある
めたろん
小さめで開き方も控えめな椿なんですね

 

また、侘助椿には確固たる定義があるようで、それは次のとおりです

  • 「有楽椿(うらくつばき)」の子孫であること
  • 「葯(やく)」という、おしべの先端の花粉を作る器官が退化して花粉を作らないこと

この2点を満たすと「侘助」になるそうです。

花粉を作らないとは! 変わってますね
同僚

 

有楽椿(うらくつばき)とは

室町時代の頃に中国から輸入された原種と日本のヤブツバキとの間にできた品種と言われています。

織田信長の実弟「織田有楽斉長益」が茶席の花として愛用したことからこの名前になったようです。

別名「太郎冠者」とも呼ばれます。

 

参考サイト:有楽椿とは草木図譜「椿」と「侘助」の違いを徹底解説!見分け方は?どこが違う?コトバンクはるなつあきふゆ夕管の庭

 

普通の椿と何が違うのか?

侘助椿と普通の椿では、以下のような違いがあります。

 

  • 普通の椿に比べて花が小さく、一重咲きか猪口咲きのものが多い
  • 普通の椿よりも開花が早い(普通の椿:12-4月、侘助椿:11月-3月)

 

めたろん
猪口咲き(ちょこざき)とは酒器のお猪口のように、開ききらずにすぼまった形で咲くことをいいます。

 

見た目でいうと、花が小さくてピンク系のものが多いようですね。
同僚

 

参考サイト:「椿」と「侘助」の違いを徹底解説!見分け方は?どこが違う?

 

どんな種類があるのか?

侘助椿にはいろいろな種類があります。一部を紹介します。

 

太郎冠者(有楽椿)

上でも述べましたが、侘助椿の祖先とされる椿です。

紫を帯びた桃色であったり、白い斑らが入ることもあります。

 白侘助

白色の一重で咲く侘助椿。

江戸時代からある品種で、当時の『諸色花形帖』という書物にも記載があります。

まれに赤い色が入ることもあるようです。

 

 胡蝶侘助

紅色に白の斑模様が入った姿で、侘助椿を代表する品種です。

人気があり苗も入手しやすいようです。

 

 寿侘助

しっかりしたピンク色に赤の差し色がはいった可愛らしい品種。

一般に普通の椿に香りはありませんが、この品種は甘い香りがします。

 

 数寄屋

淡い桃色で、江戸椿の代表的な品種です。

数寄屋の名前はおそらく茶室の「数寄屋」からきていると言われ、茶の空間の彩りとして古くから親しまれた品種でもあるようです。

 

参考サイト:herbal tree shop nae-yaつらつら椿写真の椿園

 

名前の由来

「侘助」の名前の由来としては、以下のように諸説あるようです。

  • この花を好んだ茶人、笠原宗全(→侘助と称した)に因んでつけられた
  • 豊臣秀吉の朝鮮出兵(16世紀終わり頃)の際、朝鮮から最初にこの椿を持ち帰った人の名前が侘助だった。
  • 「侘び」と「数寄」が合わさり転訛した

 

めたろん
名前の由来は確固としておらず、謎めいていますね。

この花の佇まいに似合うすてきな名前だと思うわ
同僚

参考サイト:侘助、侘助椿とは椿の歴史1桜路茶道教室

 

まとめ

侘助椿は、

  • 椿の一品種で、中国からきた種と日本在来の種が合わさってできた品種を祖先とする。
  • 普通の椿と比べ花が小さく、一重咲きや猪口咲きが多い
  • 「太郎冠者」や「胡蝶侘助」などいろいろな種類があり園芸品種としても親しまれている
  • 侘助の名前の由来には、茶人の名前からきた等、諸説ある

 

存在感のある普通の椿に比べるとどこか頼りなげな風情がある侘助椿ですが、奥ゆかしくも野性味と独特な品があり、千利休をはじめ茶人に愛されてきたのも納得できます。

安土桃山の頃から時の権力者にも好まれてきたなど、そのルーツも奥が深く日本の美意識を体現するような奥深い花ですね。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)/

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