【画家】有元利夫について

2021年10月10日

こんにちは。めたろんです。

 

この記事では、画家・有元利夫の作品が好きな方に向け、その概要、作家の経歴、作品の価値、1ファンとしての私のレビューなどについてまとめています。

 

こんな人にオススメ

  • 有元利夫の作品がどうやって描かれているのか、作品の価値などが知りたい
  • 作家の経歴を知りたい

 

 

概要

有元 利夫(ありもと としお 1946-1985)

イタリアルネッサンス期の絵画に影響を受け「古典」や「様式」のもつ力強さを継承する女性像を描きました。

マチエールにこだわりつつ、雲や花弁、カーテン等のモチーフを効果的にあしらい、静かな雰囲気ながら古い音楽が聞こえてくるような独特の世界観で多くのファンを獲得しました。

将来を期待されましたが、病気のため38歳という若さで世を去りました。

 

画家の経歴

1946年 岡山県津山市に生まれる。

1969年 東京芸術大学美術学部デザイン科入学。

1972年 後に日本画家となる渡辺容子と結婚。

1973年 電通に就職。デザイナーとして活躍する。

1976年 電通退社。東京芸大の非常勤講師になる。

1978年 「花降る日」で安井賞特別賞受賞。

1981年 「室内楽」で安井賞受賞。

1983年 長男誕生。

1985年 肝臓癌で死去。

 

参考サイト:Wikipedia

 

技法について

初期の作品においては伝統的な油絵や日本画の技法で描いていましたが、のちにアクリル絵の具と岩絵の具を併用する独自の技法を用いました。

マチエール(絵肌)に古色を出すためにキャンバスを揉んだりわざと荒らしたりもしたようです。

いろいろな原石やサンゴ、トルコ石などを自分で擦り顔料を作るなど、こだわりをもって様々な原料・技法を追求しました。

「有元利夫全作品」より

 

原画はどこで見られる?

東京都千代田区の小川美術館にまとまったコレクションが収蔵されていますが、残念ながら現在は休館中のようです。

また渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムでは2020年6月に没後35年記念の展覧会が予定されていましたが、コロナ渦により中止となってしまいました。再開催は現在のところ未定のようです。

 

めたろん
人気のある作家なのでまた近いうちに展覧会が開催されるといいですね。

 

今後の評価は?

卒業制作が大学買い上げとなり、若くして安井賞という大きな賞を受賞した有元利夫は、生前から高い評価をうけた画家でした。

 

これからその作品の価値はどうなっていくのでしょうか。

 

画家の評価は死後30年経った時に、その作品の価値が上がっているかどうかではかられるといいます。

 

その点でいうと有元利夫の作品は死後30年以上が経っている現在、活発に取引されています。

また上で述べたように(残念ながら開催中止となりましたが)大きな展覧会も企画されています。

 

こうしたことから、有元利夫の作品は今後も求められ生き残っていくと考えられます。

 

参考サイト:芸術家の評価は死後30年かかる

 

作品の価格

有元作品の価格については、一例で言うとオークションで銅版画の作品が35万円ほどで取引されているようです。

ネット上では価格が明記されないことが多いですが作品を取り扱うサイトでは有元利夫の作品は売却済みとなっていることも多く、人気があることがうかがえます。

 

複製画やポスターは買える?

複製画やポスターの販売はあまりないようですが、作品を掲載したカレンダーが人気で毎年発売されています。

有元作品は派手に主張するタイプの画風ではありませんが、品がありゆったりとした雰囲気からインテリアとしても人気です。

 

 

めたろんのレビュー

僭越ながら有元利夫作品の1ファンとしてここで語らせていただきたいと思います。

 

無表情。。だからこその安心

有元作品ではほぼ全てに女性が描かれているのですが、どれも「普通の顔」をしています。

 

少し微笑んでいたり、かすかに寂しそうなものや慈愛を感じるものもありますが、彫刻のように静かで無理がないんですよ。だからなのか、見ていて安らぎます。

 

仏像を前にしたときのしーんとした感じに近いかもしれません。

 

ほっとする。避難所のような絵

音楽が鳴り響く絵とも評価されているのですが、それと同時に静けさも感じます。

 

たっぷりとしたカーテンや上等そうな絨毯、広々としたテーブルなどが描かれ見ていると心地よい部屋で守られているような眠くなるような気分になれます。

 

名作絵本の「おやすみなさい おつきさま」と通じるところもあるような。。こちらもすてきなお部屋が描かれた、忘れがたい作品です。

 

 

古くならない

上の技法についての項でも述べましたが、有元作品は描かれた時点ですでに数百年を経たような古色をまとっています。

 

よく見ると描いてから絵の具をはがしたり、マチエール(凸凹をつけた下地)の上に薄く絵の具を塗ってまたこすったり、丁寧な作業で「時間」を染み込ませているようです。

 

簡単には古くならない、焼き物のような物質感を獲得しているところも魅力の一つだと思います。

 

一人しか登場しない

ほぼ全ての作品に女の人が登場するのですが、ほぼ全てがたった一人だけ描かれています。これはどうしてなんでしょうね。

 

画家の意図するところは想像するしかありませんが、

 

私の印象としては、一人しか描かれていないことで観る人を心尽しでもてなしてくれるような雰囲気が生まれていて、これが「好き」の大きな要素になっている気がします。

 

私はシンガーソングライターの鬼束ちひろのファンでもあるのですが、彼女もアルバムジャケットやアートワークには彼女一人しか登場しません。

 

家族がいても賑やかにしていても、人は結局は一人だともいわれます。人がひとりで向き合ってくれるという状況に、根源的に癒されるのかもしれませんね。

 

 

パターン化の力

描かれる女性たちは皆同じような表情をし、同じような袖の膨らんだワンピースを纏い、静かに営々と何かをしています。その音楽や静寂を乱すものは当分登場しなさそうです。

 

「作品を様式化する」という方法は、退屈さというリスクをはらみながらも、画家の仕事に意思と強さを与えているように思います。

 

結果として11年という短い制作期間であったことを思うと、パターン化の力が多くの鑑賞者の心に届くための助けになったのではないでしょうか。

 

自然に逆らう

登場する人物の表情は穏やかですが、そこにある重力は違います。

 

奔放で、超自然に描かれているんですね。女の人たちの豊満な体が軽々と宙に浮き、あらぬ方向に布がはためき、おてだま(?)が宙に静止します。

 

有元作品において、このおちゃめな重力の存在はとても効いています。

 

視覚的にも思想的にも唯一「荒ぶる要素」であるようにも感じますが、この要素があることで無二の有元作品が完成されているように思います。

 

まとめ

私は今、有元利夫の全作品を眺めると、月並みですが時間は有限だということを感じますね。。

 

彼は38歳という若さで亡くなりましたが、自分の描きたい世界をはっきりと意識しそれ以外の要素を捨てるという選択をした結果、このような質量の作品を残せたように思います。  

 

まとめ

  • 有元利夫は、イタリアルネッサンス絵画や日本の古典・様式に影響を受けて描いた
  • 作品はアクリル絵の具や岩絵の具を用いた独自の画法で描かれた
  • 死後30年以上経った今も作品は人気で、今後も価値があがると予想される

 

最後まで読んで生きただき、ありがとうございました(^^)

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