こんにちは。めたろんです。
リアルな体験談を聞きたいな。
こんな方に向け、この記事では私が美術予備校で学んだ内容や実感を書きました。
筆者の経歴
武蔵野美術大学卒業。
25年ほど前に、美術予備校のデザイン科(夜間部)で1年、油絵科(昼間部)で1年学ぶ。
美術予備校はこんなところ!
- 最初はひたすら静物や石膏デッサン
- イーゼルと小さな椅子で何時間も皆黙々と描く
- 昼間部油絵科は皆つなぎを着用。絵具にまみれた教室
- 先生が手直しするのに見とれる
- 講評が楽しい(人による?)
詳しく見てみましょう!
Contents
美術予備校ってどんなところ?【芸大美大受験】
最初はひたすら静物や石膏デッサン
デザイン科や油絵科など志望科目によらず、基本となるのは見えるものをそのまま描くデッサンです。
最初のうちは自分でも笑っちゃうくらい歪んでしまったり塗り絵みたいになってしまったり。
イーゼルを前に小さな椅子に座り、何時間も黙々と描きます。
おしゃべりする生徒はほぼおらず、皆んな一心に制作してました。
聞こえるのは鉛筆や木炭を紙に走らせるシャッシャッという音や、カッターで削る音くらいです。
先生が手直しするのに見とれる
講師の先生がゆっくりと生徒の絵を見回り、たまに自分の画面の背後で立ち止まってじっとしていると緊張しました。
そういうときは大抵、ここもうちょっとこうしよう等と指摘したり、先生自ら描いてある程度直してくれたりします。すばやく的確な描画に見とれました。
講評が楽しい(人による?)
美術予備校の授業内容ほぼすべて、普通の予備校とはかなりちがいますが、その中で私がとくに好きだったのは「講評」の時間です。
3時間、6時間、12時間など、試験を見据えて定められた時間の中で油絵やデッサンの制作を集中して行い、その後で各生徒の作品を全て並べ、発表形式で順番に寸評をしていくのです。
シビアなのですが、イーゼルの上の段、さらに左に行くほど優秀、というように講師によって並べ替えられます。
今考えるとすごく競争的でどうかと思う面もあるのですが、入学試験突破をめざす生徒にとっては、毎回が真剣勝負だったように思います。
私はその中でそれほど上手い方ではなく、右の下の方であることも多かったですが、たまに評価されるととても嬉しかったし、他の人の作品をじっくり見たり、容赦なくランキングされたりするのを見るのが面白かったです。
独特すぎる、私大デザイン科実技試験
各大学によって幾分違いますが、おおむね次のような実技試験があり、四苦八苦しながら対策しました。
鉛筆デッサン
B3位の大きさの画用紙使用。
モチーフ数個(コップ、布、オブジェ、ひも など)が与えられ、それらを自由に組み合わせてデッサンする。
色面構成
B3ケント紙にアクリル絵具で描く。
こちらもモチーフをいくつか渡されて、それを組み合わせて構成し、ポスターのような画面を作り上げる。
もっと独特すぎる、芸大油絵科実技試験
あまり覚えていないのですが、芸大油絵科実技一次試験は、両国国技館の升席で行われました。
なにか抽象的な、概念的なお題が紙一枚に書かれており、「~をテーマにデッサンせよ」といった試験だったと思います。
一次試験をパスすることはできなかったのですが、会場の異様な雰囲気は今でも覚えています。
昼間部油絵科は皆つなぎを着用。絵具にまみれた教室
昼間部は浪人生のクラスです。油絵科ともなると絵の具に汚れることを気にしてなんかいられません。
みな作業用のつなぎを着てなりふりかまわず描いていました。
美術予備校で学ぶという体験
1年ないし数年間、明確な目標に向かって絵を描きまくる、という体験は間違いなく人生に影響を与えます。
私の場合は数十年経った今でも、自分で自分の人生をはげますのに役立っています。
絵を描くことが仕事になるかならないかは、当たり前だけどその人次第ですね。
お金で測れない部分が多いのも、芸術という分野だと思います。
まとめ
美術予備校はこんなところ!
- 最初はひたすら静物や石膏デッサン
- イーゼルと小さな椅子で何時間も皆黙々と描く
- 昼間部油絵科は皆つなぎを着用。絵具にまみれた教室
- 先生が手直しするのに見とれる
- 講評が楽しい(人による?)
いかがですか?
この記事は美大受験を考える若い人に限らず、美術予備校というものに興味を持つ人に向けて書きました。
社会人クラスを設けている美術予備校もあるようです(筆者も一時通っていました)。
老若男女、絵を楽しめたらすてきですね。
読んでいただきありがとうございました(^^)/